ヘレン・アンデリン「新・良妻賢母のすすめ」感想
ヘレン・アンデリン(著)、岡喜代子(訳)
「新・良妻賢母のすすめ」
結婚において、女性の幸福の中心は愛されることですが、男性の中心は称賛されることなのです。
自分はこの本を読んで実践したのちに破局を選択したのでサクセス・ストーリーとは言えないですが・・・。
自分の考えを少し前に進めることができました。
結婚して、妻という立場から、築いた家庭を守り抜くことを人生において大切にしたい人にとっては力強く頼もしいバイブルになると思います。
まずこの本では大前提として、
女性にとっての幸せとは何でしょうか?
__(中略)__既婚者なら__(中略)__
一番大切で欠かすことのできないものは、夫に心から愛されることです。夫に愛されなければ、あなたの人生は抜け殻のようなものです。
・・・と書かれているように、現代に生きる女性の中で「結婚」することを選択し、そこにこそ自分の幸せを見出している人のための本です。
結婚制度の中で、夫の男性性を理解し最大限に結婚生活の幸せを引き出すための知恵が非常に深いレベルで記されています。妻として夫に愛されるには?そのために必要なこれまでの叡智・法則が、豊富な実践手引きとともに紹介されています。
内容は説得力も高く目から鱗の連続で、自分の中に”男性心理”の視点を得ることができました。男性と言っても多様だと思います、しかし、これまでにない視点だったので読んでいて勉強になり面白かったです。
書かれていることを私は、昔行き詰まっていた結婚生活で実践したんですが、確かに夫の態度が変わったんですね。理解しかねていた夫のあれこれについても、この本の視点で見ると見え方が変わりました。
・・・でも自分は(元夫と)この生き方は続けられなかったです。
あなたの優先順位の中で、夫にとって最大の驚異は、あなたが熱心にキャリアを追求する場合です。
自分を抑えて、自分よりも夫を常に第一優先し(夫は社会で役割を果たすため妻を第一にしなくて良い)、男性よりも自分を常に低く小さく見せることの教えと実践が、辛くて虚しくて仕方がなかったです。
元夫も、らしくない自分に対して気持ち悪かったんじゃないかな。結果として本で書かれているような愛情が自分に返ってきたとしても、自分が欲しいのはそこじゃなかった。確かに本の通りに願いを聞いてくれたり、男性性を発揮してくれるようになったのですが、このまま続けても自分の人生に後悔するだろうと思い始めました。
若い女性にとっては、自分を愛し大事にしてくれる男性を見つけること以上に重要なことはありません。こういう愛は、古今を通じて、常にオペラや小説、歌のテーマでした。
果たして皆が皆そうなのでしょうか・・・。現代で様々な生き方が解放され可能になってきている中で、自分の生き方を主体的に選べる方を信じます。もちろんその中の1つに妻という生き方だってあるし、そうじゃない生き方が全て劣っているという考え方は好きじゃない。
「女性とはこういうもの」と画一化しなくていい。「男性とはこういうもの」だってそう。自分は結婚した当時は深く考えずにまあ結婚?機会があればするもんかなーくらいで結婚したので・・・無意識に固定観念はあったのかもしれません。今は周りに、自分の想像を超えるような、枠にはまらない形で愛やパートナーシップを育んでいる人たちがいっぱいいることが、衝撃と明るい気持ちを呼び覚ましてくれました。
自分はどういう人生を歩んでいきたいのか。
パートナーシップはどういう形があり得るのか。
自分にとっての至高の幸せは何なのか。
男性に男らしさを強要したくない。私も男性性を発揮できる分野では翼を広げて発揮したい。本を読み返して、私が一番思うのはこのことでした。これじゃあモテないのかな。たとえ大人数にモテなくても、世の中には女性性を発揮したい男性だって、いるはず。そういう考えの自分を開示していくことで、合う人と、巡り合えるのかな。
こうやって視点を少し広げてこの本に向き合ったら・・・
この原則はいかなる男性との関係__父親、兄弟、息子、教師、生徒、雇い主__にも応用できます。
と書かれている通り、自分や相手の性別関係なく”男性性”をのびのび引き出すための”女性性”の発揮の仕方として、応用できるのかもしれない。と思いました。
結婚ってなんだろうな。
パートナーシップってなんだろうな。
・・・もう1つ、読みながら頭から離れなかったこと。
自分もこんなに尊重して大切に扱ってもらえたなら!!
相手が女だろうと男だろうと何だろうと手放せなくなる。性別関係あるかい!?
ビバ、良妻賢母!